臨床成績:CodeBreaK 200

国際共同第Ⅲ相試験(CodeBreaK 200試験)
  1. 国際共同第Ⅲ相CodeBreaK 200試験では、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)についてルマケラスのドセタキセルの優越性が検証されました。PFS中央値は、ルマケラス群5.6ヵ月、ドセタキセル群4.5ヵ月、ルマケラス群のドセタキセル群に対するハザード比は、0.66でした。
  2. 副作用発現率は、全Gradeでルマケラス群70%、ドセタキセル群86%でした。主な副作用(10%以上)は、ルマケラス群では下痢、悪心、食欲減退、ALT増加及びAST増加、ドセタキセル群では疲労、脱毛症、悪心、下痢、貧血、食欲減退、好中球減少症、口内炎、便秘、無力症及び末梢性ニューロパチーでした。

試験デザイン1,2)

「警告・禁忌を含む注意事項等情報」等は電子化された添付文書をご参照ください。

目的

KRAS G12C変異を有する既治療の局所進行/切除不能又は再発の非小細胞肺癌患者を対象に、ルマケラスのドセタキセルに対する優越性を検証し、安全性を検討すること

試験デザイン

国際共同非盲検無作為化第Ⅲ相試験

図_国際共同非盲検無作為化第Ⅲ相試験

割付け因子:治療歴(1 vs 2 vs >2)、人種(アジア人 vs アジア人以外)、中枢神経系(以下:CNS)転移の病歴(あり vs なし)

主要評価項目:無増悪生存期間(PFS)*2

重要な副次評価項目:全生存期間(OS)、客観的奏効率(ORR)*2、患者報告アウトカム(PRO:呼吸困難、咳嗽、胸痛、身体機能、全般的健康)

その他の副次評価項目:奏効期間(DOR)*2、奏効までの期間(TTR)*2、病勢コントロール率(DCR)*2、安全性/忍容性、後治療、PRO(悪化までの期間)等

探索的評価項目:CNS再発3

*2:RECIST 1.1に基づくBICRによる *3:医師判定

登録期間:2020年6月4日~2021年4月26日、プロトコール変更:2021年2月15日(予定被験者数を650例から330例に減らし、PFSのみの検出感度に変更)

データカットオフ日:2022年8月2日 追跡期間中央値:17.7ヵ月(IQR:16.4-20.1)

BICR:blinded independent central review、盲検下独立中央判定、IQR:四分位範囲

NCT04303780; EudraCT:2019-003582-18

解析計画

  • 主要評価項目と重要副次評価項目の解析は、full analysis set(FAS)を対象とした。
  • 安全性の評価は、少なくとも1回治験薬の投与を受けた症例を対象とした。
  • 中間解析:PFSイベントが約70%(160件)に観察された時点でPFSの中間解析を実施した。第1種過誤を最小にするためにO’Brien-Fleming消費関数*4を用いて主要解析を実施する計画であった。Maurer-Bretz多重検定法*5を用いて主要評価項目のPFSにおいて統計学的有意差が認められた場合にOSとORRの解析を実施する。
  • 主要解析:約230件のPFSイベントが観察された時点においてPFSの主要解析が計画された。OSに関してはイベント数が約198件に達した時点において主要解析を実施し、ORRに関してはPFSについて統計学的有意差が確認され、最終の無作為化症例で6週間のfollow-upが経過した時点で実施する。
  • 最終解析:最終患者の長期follow-upが完了した時点で実施する。
  • PFSに関して帰無仮説が棄却された場合、ORRは片側有意水準0.005を用いて検定する。ORRの帰無仮説が棄却された場合、OSは片側有意水準0.025を用いて検定する。ORRの帰無仮説が棄却されなかった場合には、PFS ⅠAでは片側有意水準0.0001、それ以外では片側有意水準0.02を用いてOSを検定する。
  • OSの帰無仮説が棄却された場合、ORRを片側有意水準0.025を用いて検定する。
  • PFS、OS、ORRすべてについて帰無仮説が棄却された場合に、ベースラインから12週時点までの肺癌の症状(呼吸困難、咳嗽、胸痛の3種)の検定をHolm手順を用いて検定する。
  • 事前に規定されたサブグループ解析:年齢、性別、地域、喫煙歴、人種、ECOG PS、前治療の回数、CNS転移の既往、肝転移、骨転移、PD-L1発現率、前治療での最良効果について、PFSのサブグループ解析を実施した。
*4: 中間解析における早期中止のための基準として用いられる方法。αを早期に小さく、最終解析に近づくにつれて大きくし、全体の有意水準を決められた値に保つよう工夫されている。
*5: 複数の評価項目を階層的に順序づけて検定を行い多重性を調整するグラフィカルアプローチの一種。

有効性評価項目の定義及び解析方法

表_有効性評価項目の定義及び解析方法

患者背景

表_患者背景

 ルマケラスの有効性1,2)

主要評価項目

データカットオフ:2022年8月2日 追跡期間中央値:17.7ヵ月(IQR:16.4-20.1)

無増悪生存期間(PFS)[BICR評価]1)

CodeBreaK 200試験では、主要評価項目であるPFSについてルマケラスのドセタキセルに対する優越性が検証されました。

図_無増悪生存期間(PFS)[BICR評価]

PFS[BICR評価]のforest plot[サブグループ解析]1)

図_ PFS[BICR評価]のforest plot[サブグループ解析]

副次評価項目

データカットオフ:2022年8月2日 追跡期間中央値:17.7ヵ月(IQR:16.4-20.1)

客観的奏効率(ORR)と病勢コントロール率(DCR)[BICR評価]1)

ORRは、ルマケラス群28.1%、ドセタキセル群13.2%でした。

表_客観的奏効率(ORR)と病勢コントロール率(DCR)[BICR評価]

最良総合効果(BICR)のwarterfall plot2)

図_最良総合効果(BICR)のwarterfall plot

奏効(BICR)のswimmer plot2)

図_奏効(BICR)のswimmer plot

奏効期間及び奏効までの期間(BICR)1)

DOR中央値は、ルマケラス群8.6ヵ月、ドセタキセル群6.8ヵ月でした。

表_奏効期間及び奏効までの期間(BICR)

全生存期間(OS)1)

生存期間中央値は、ルマケラス群10.6ヵ月、ドセタキセル群11.3ヵ月でした。

図_全生存期間(OS)

後治療2)

ルマケラス群の3.5%、ドセタキセル群の33.9%が後治療としてKRAS G12C阻害剤の投与を受けていました。

表_後治療

 ルマケラスの安全性1,2)

副作用一覧1)

いずれかの群で5%以上に発現した全Gradeの副作用、及び3%以上に発現したGrade 3以上の副作用

表_副作用一覧

休薬/減量/投与中止/死亡に至った副作用の発現率と主な副作用 1,2)

表_休薬/減量/投与中止/死亡に至った副作用の発現率と主な副作用

 患者報告アウトカム(PRO)1)

CodeBreaK 200試験では、QOLと呼吸器症状について患者報告アウトカム(PRO)評価が実施されました。

(参考情報)患者報告アウトカム(PRO)[副次評価項目]

悪化までの期間
図_(参考情報)患者報告アウトカム(PRO)[副次評価項目]_悪化までの期間

ベースラインからの変化

図_(参考情報)患者報告アウトカム(PRO)[副次評価項目]_

ドラッグ・インフォメーション3)

「警告・禁忌を含む注意事項等情報」等の改訂に十分ご留意ください。

1.警告
本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
2.禁忌(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
3.禁忌(次の患者には投与しないこと)
がん化学療法後に憎悪したKRAS G12C変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
4.効能又は効果に関連する注意(抜粋)
4.1
十分な経験を有する病理医又は検査施設により、KRAS G12C変異陽性が確認された患者に投与すること。検査にあたっては、承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いて測定すること。 なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、以下のウェブサイトから入手可能である:
その他の項目を含めた詳細についてはルマケラスの電子化された添付文書3)をご参照ください。
ルマケラスの電子化された添付文書ダウンロードページ
  • References
    1. Paragraphde Langen AJ, et al. Lancet. 2023; 401: 733-746.(SOT00279)
    2. de Langen AJ, et al. Lancet. 2023; 401: 733-746. Supplementary appendix.(SOT00287)
      [利益相反:本試験はアムジェン社の支援により行われた。]
    3. ルマケラスの電子化された添付文書第5版(2024年2月改訂)

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