注射液の調製にあたって

用意するもの 体重45kg以上の必要量確認表 体重45kg未満の必要量確認表

用意するもの

ビーリンサイトの製品箱には同梱されていません。調製ごとにご用意ください。

ロック式シリンジ

イラスト_ロック式シリンジ
  • 生理食塩液追加
  • 輸液安定化液添加
  • 注射用水添加
  • 調製済みビーリンサイト溶解液添加

調製用 注射針

イラスト_調製用 注射針

注射用水

イラスト_注射用水
  • 本剤の溶解1バイアルにつき、注射用水3mLが必要です。

生理食塩液

イラスト_生理食塩液
  • 生理食塩液を全量として 270mL となるように調製する。

無菌フィルター※1(0.2μm)付き輸液セット

イラスト_無菌フィルター※1(0.2μm)付き輸液セット


【フィルタ―】

  • 無菌でパイロジェンフリーかつ低タンパク質結合性※2のものを用いる。

※1:外付けフィルターの場合、ライン部分の材質にも注意してください。

※2:フィルターの透過性(親水性)膜の材質を確認してください。

輸液ポンプ

イラスト_輸液ポンプ
  • 樹脂製ディスポーザブルポンプは使用不可。
  • 一定の投与速度で持続投与するプログラム機能、投与中に許可なく設定の変更が行われないためのロック機能および動作異常などを通知するためのアラーム機能を有する製品の使用を検討する。
  • 24、48時間ごとに交換する場合:1mL/時間単位で速度調整可能なもの。
  • 72、96時間ごとに交換する場合:0.1mL/時間単位で速度調整可能なもの。
生理食塩液輸液バッグ※3 無菌フィルター※1付き輸液セット
輸液セット フィルター※2
推奨材質
• EVA製
• PVC製(可塑剤:TOTM使用)
• ポリオレフィン製
• ポリブタジエン製
• PE製
• PES製
• PVDF製
• PSF製
非推奨材質 • PVC製(可塑剤:DEHP使用)
•ナイロン製
• PTFE製

中心静脈カテーテル、ポート専用針のチューブ(ヒューバー針)については、DEHPを含有していない製品を選択してください。

※3:輸液ポンプがカセット式の場合は、カセットを含む。

EVA:酢酸ビニル

PVC:ポリ塩化ビニル

TOTM:トリメリット酸トリス-2-エチルヘキシル

PE:ポリエステル

PES:ポリエーテルスルホン

PVDF:ポリフッ化ビニリデン

PSF:ポリスルホン

DEHP:フタル酸ジ-2-エチルヘキシル

PTFE:ポリテトラフルオロエチレン

推奨理由: 本剤との適合性が確認され臨床試験で使用された材質および、追加の透過性試験により本剤との適合性が確認された材質。

非推奨理由 :生理食塩液輸液バッグおよび輸液セット:本剤がフタル酸ジ-2-エチルヘキシル(DEHP)と接触することにより粒子を形成する可能性があるため。

フィルター:タンパク質との結合性が高く、本剤の吸着が懸念されるため。

体重45kg以上の場合

必要量確認表

ビーリンサイト輸液バッグの調製は、体重、用量、投与時間により異なります。

ビーリンサイト輸液バッグは、交換頻度に応じて、24時間用、48時間用、72時間用、96時間用の4種類の投与時間に調製することが可能です。注入速度はそれぞれの投与時間に合わせた速度に設定します。投与スケジュールに合わせてビーリンサイト輸液バッグの調製を行います。

体重45kg以上の患者 1サイクル目1~7日 1日9μgパターンA
投与時間(注入速度) 24時間 (10mL/時間) 48時間 (5mL/時間) 72時間 (3.3mL/時間) 96時間 (2.5mL/時間)
本剤溶解液注入量 0.83mL 1.7mL 2.5mL 3.3mL

ビーリンサイト必要バイアル数:

注)ビーリンサイト溶解液はバイアル1本につき2.8mL採取可能として計算。

体重45kg未満の場合

必要量確認表

ビーリンサイト輸液バッグの調製は、体重、用量、投与時間により異なります。

ビーリンサイト輸液バッグは、交換頻度に応じて、24時間用、48時間用、72時間用、96時間用の4種類の投与時間に調製することが可能です。注入速度はそれぞれの投与時間に合わせた速度に設定します。投与スケジュールに合わせてビーリンサイト輸液バッグの調製を行います。

45kg未満の方では、体表面積から投与量を算出します。

ビーリンサイト必要バイアル数:

注)ビーリンサイト溶解液はバイアル1本につき2.8mL採取可能として計算。

ビーリンサイト輸液バッグの調製手順

重要:輸液安定化液は、生理食塩液輸液バッグに加えてください。

図_重要:輸液安定化液は、生理食塩液輸液バッグに加えてください。

ステップ1 生理食塩液の調製

250mL生理食塩液の充填済み製剤を使用する場合、輸液バッグに生理食塩液を全量として270mL ※1となるように調製してください。

※1:充填済み製剤を使用する場合には過剰充填の可能性を考慮して調製してください。

ステップ2 輸液安定化液の添加

写真_輸液安定化液の添加

ステップ1 で調製した生理食塩液に輸液安定化液5.5mL※2を無菌的に加えてください※3

※2:輸液安定化液 は、本剤が輸液バッグや輸液チューブに吸着するのを防ぐものです。

※3:溶液が泡立たないように注入後ゆっくりと撹拌してください。

重要:輸液安定化液は、生理食塩液輸液バッグに加えてください。

ステップ3 ビーリンサイト点滴静注用35μgの溶解

写真_ビーリンサイト点滴静注用35μgの溶解

ビーリンサイト・バイアル1本につき注射用水3mL で溶解してください※4。(溶解後の容量:3.1mL、最終濃度:12.5μg/mL)

(使用バイアル数は必要量確認表を参考にしてください)

※4:注射用水 をバイアル壁に沿わせて無菌的に注入し、振らずにゆっくりと撹拌してください。

重要:ビーリンサイト点滴静注用35μgの溶解には、注射用水を使用してください。

ステップ4 調製したビーリンサイト溶解液の観察

写真_調製したビーリンサイト溶解液の観察

濁り・沈殿物・変色がないか観察してください※5,6。

※5:ビーリンサイト溶解液は無色~淡黄色の液体です。

※6:濁り、沈殿物、変色がある場合は使用しないでください。

ステップ5 調製したビーリンサイト溶解液を輸液バッグに添加

写真_調製したビーリンサイト溶解液を輸液バッグに添加

ステップ4 で観察したビーリンサイト溶解液をステップ2 で調製した輸液バッグに無菌的に注入してください※7,8。(注入する溶解液量は必要量確認表 を参考にしてください)

※7:注入後、溶液が泡立たないようゆっくりと撹拌してください。

※8:本剤の調製にあたり、予定している投与量を超えた量のビーリンサイト溶解液を輸液バッグに添加する必要があります。

ステップ6 輸液セットの接続

写真_輸液セットの接続

輸液セットをビーリンサイト輸液バッグに取り付けステップ5 で調製した溶液のみで輸液チューブをプライミング※9してください。

※9:輸液チューブの内腔を溶液で満たすこと。

すぐに使用しない場合